【感想】小説版 学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD <終わりの日>

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ドラゴンエイジ2010年9月号の付録についていた小説版の感想です。

完全版が2011年3月発売予定となってますが、今のところ正確な発売日も決まっていないようなのでとりあえず感想を書いてみたいと思います。小説とかは発売日が延期する可能性もありますしね。完全版が発売されたら改めて感想を書くつもりですが。
ドラゴンエイジのほうも今月号はコミック5巻収録の「Cos-play of the DEAD」のフルカラー版掲載になってますし、いい機会ということで。

著者は漫画原作版の原作者と同じ佐藤大輔です。
この時点での本編は109ページ。完全版の2/3くらいなのかな?
印象としては、「漫画原作版がアニメ向きなら、小説版は実写向き」ってとこでしょうか。仮に学園黙示録を邦画で実写化するならこちらの小説版のほうが向いてるな、という感じです。もう少しリアル、というか現実味のある描写におそらくは意図的に変えてますね。比較する時わかりづらいので、今回の記事では漫画版のほうを「原作版」と呼ぶことにします。

ついでにいうと各登場人物の設定もいろいろと変更されていますね。
主人公の小室孝は、床主市の私立藤見学園高校に入学するまでは遠く離れた離島「鼎島」で三歳から過ごしていた模様。鼎島は江戸時代、小室家が領主となっており、孝はその子孫ということで一応名家の出ということに。
性格的にも原作版より良くも悪くも等身大な高校生といった感じ。女の子への興味も人並みかそれ以上にあるけど行動力がいまいちない、という実にありがちな17歳です(笑)。
ただ、子供の頃からいったんスイッチが入ると常人が越えられない壁、破壊的なことを平然と出来てしまう、「壊れた」部分を持ってることも語られていますね。
そして孝の幼馴染であったはずの宮本麗と高城沙耶にも変更が。小説版では2人とも幼馴染ではなく、高1からのクラスメート、という設定ですね。麗は留年してないようなので孝とは同い年のもよう。沙耶もどうやら父親は右翼ではなく、実家が静岡にある良家のお嬢様のようで。ただ麗も沙耶もなぜか孝に好意を抱いていたよう。無意識に女性を惹きつけるフェロモンのようなものが孝にはあるんでしょうかね(笑)。
とはいえ基本的にはどの登場人物もほぼ原作通りの性格と言ってよさそうです。

さて、物語は基本的にコミックやアニメの第1話をほぼ踏襲してますね。
前日の昼休みにどうやらクラスメートみんなの前で麗に告白して玉砕した、という最悪に悲惨な(笑)孝が屋上でたそがれているところからスタート。そこに沙耶が現れるところはアニメ版に挿入されてますね。
原作では突然起きた<奴ら>の発生ですが、小説版では以前から予兆が世界中で起こっていたことがわかります。藤見学園の教師たちも前日に謎の負傷をして登校しており、この辺り「忍び寄る恐怖」といったところでしょうか。
そして、孝と沙耶の目の前で藤見学園の生徒全員より多い乗客を乗せたエアバスが突然墜落。さらにそれほどの大事件が起こったのに海上保安庁のヘリがまったくそちらへ向かおうとしないことから二人は何かが起きたことを悟ります。孝の危険に対する嗅覚と沙耶の頭脳が事態のとてつもなさを認識させたようですね。
この時点でベストな判断は、パニックに巻き込まれる危険性のある校内と距離を置いてどこかに避難すること。沙耶の判断の正しさはもちろん孝もわかっているのですが…。

孝はなんと前日に自分を振った麗を助けに校内へと戻る決断を(笑)!

このへん、原作と小説ではかなり印象が変わるんですよねー。原作だと麗は家族同然の幼馴染ということで恋愛感情抜きにしても助けに行く理由はあるでしょうが、この小説版だと麗とは1年くらいの知り合いだしおまけに麗よりもスペックの高そうな沙耶は明らかに自分を好きらしいと気づいてるわけで。「沙耶と付き合ったほうがいいんじゃないか」と当人も計算は働いているにもかかわらず。
理由はよくわからないけど「とにかく助けに行く!」と飛び出してしまうんですよね(笑)。
原作版と小説版はいわゆる「パラレル・ワールド」的な物語なのかもしれませんが、結局のところ孝はどういう次元に生まれようと麗を好きになってしまう、ということなんでしょうかね(笑)。

沙耶を天文台に残して校内に向かう途中で原作と同じ、校門で<奴ら>に噛まれて同類になってしまう教師たちの姿を目撃。いよいよ<奴ら>の脅威が現実のものになります。
そして麗の元へと向かうわけですが、原作でも引っ掛かりを覚えた人も多いであろう、「孝が他のクラスメートを見捨てた理由」が描写されますね。原作でも同じ理由だったのかはわかりませんが。
とりあえず孝は知り合いや教室のクラスメートを冷静というか冷徹に観察する中で、「<これまで>が壊れてしまったことを理解できない奴には伝えても無駄」ということを悟っていきます。ヒーローならざる孝は自分と自分の大事な人間以外のことまでは責任はもてない、ということで。この辺の常人では躊躇するに違いない割り切りは原作でも何度か見られますね。「今回は助けられる。今回は無理」という線引きを明確にできるというか。
これこそが小室孝のリーダーとしての最大の資質なのかもしれません。少年漫画の主人公的ではないですけどね(笑)。

そして教室では平野コータもわずかですが描写されます。麗を連れ出そうとする孝や周囲の微妙な空気を感じ取り、即座に教室から脱出!
原作以上に優秀というかすさまじい嗅覚の持ち主になってます。ただ、原作と違って沙耶と同行はしないので釘打ち機を改造して武器にするのかどうかはわかりませんね。まあパラレル・ワールドなのでコータがいつのまにか死んでいても驚きませんが(笑)。ただ、孝にとってはコータのただ者じゃないようすは印象に残ったよう。
あと、教師・紫藤と孝の因縁らしきものもわずかに触れられていたり。原作でも復活している紫藤ですが、小説版でも最後に立ちはだかる敵になるのかな?

さて、孝は麗とその恋人にして孝の親友(?)・井豪永とともに脱出。2人の仲のよさを見せ付けられてみじめな思いになる孝の姿はほんと共感というか同情というか(笑)。
そして原作同様に<奴ら>となった教師に襲われるもののなんとか撃退。しかし永はやっぱり噛まれてしまう。
3人はそのまま沙耶のいる天文台に向かいますが、途中で名前こそ出ないものの冴子らしき人物の気合が聞こえてきたり静香先生の名前も出てきていたりと、やはり原作の6人は集結するのかな?
この辺りはまだ不明ですね。
天文台にたどりついた3人は沙耶と合流。いちゃつく孝と沙耶を見て麗が対抗意識をむき出しにする、なんてのも原作には全くないので新鮮ですね(笑)。
そして屋上に篭城して助けを待つべきかどうか、という議論をしていたところへ逃げてきた生徒たちとそして<奴ら>が現れた…。



…というところで小説は終了してますがこの後どうなるのかは興味深いですね。ちなみにこの小説は未来の孝による手記の形を取っているようなので、孝が生存していることは間違いないのですが。同時に世界はもう完全に崩壊してしまっており、元に戻ることはないだろうと孝は認識しているようす。
完全版で一番注目したいのは、本来は孝・麗・永の3人だけだった屋上に沙耶がいることですね。まあそれ以外の群集や<奴ら>もいるわけですが(笑)。
ここまではある程度原作通りでしたけど、以降はかなり違う展開になるかもしれませんね。
そのへんどうなるか、完全版の発売を楽しみに待ちたいと思います。
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