【感想】小説「征途」(愛蔵版)

佐藤大輔の架空戦記小説を読破しました。

コミック「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」はいまでもほんとに好きなんですが、原作者・佐藤大輔の小説はその小説版くらいしか読んだことはなかったんですよね。しかし先日、そのプロトタイプともいうべき「黙示の島」を読みましてこれがまた面白かった。

【感想】小説「黙示の島」
https://42986506.at.webry.info/201910/article_15.html

佐藤氏は亡くなってしまったのでもう新作は学園黙示録を含めて読めないわけですけど過去作はたくさんあるわけでいい機会だし他の小説もちょっと読んでみようかと思いまして。
というわけで次に手を出してみたのは作者の代表作として評価の高いこの「征途」でした。佐藤氏の死去の後で愛蔵版として出版されたみたいですね。もともと作者は架空戦記小説の大家だったようなので学園黙示録みたいなのはどちらかというと変化球ということみたいですし。
というわけで読みましたが全3巻の小説が一冊に収まってるのでさすがに読み終えるのには時間がちょっとかかりました。


ストーリーは第二次大戦中のレイテ沖海戦で史実と違い日本が勝利するという結末に。ただこれで日本が戦争にも勝利するのではなく降伏が2週間ほど遅くなり、それによって北海道の半分がソ連に占領されて「日本民主主義人民共和国」が建国されて分断国家となってしまうという展開。日本もこの共産国家の同胞と戦うために戦争放棄の憲法が作られることなく半世紀にわたり多くの戦争に参加することに。現実とは大きく異なる日本の歴史を体験していく物語ですね。マッカーサーが戦死したりJFKが暗殺されてなかったりと歴史も少しずつ変化していたり。SF作家のハインラインとかが違う人生をたどってるのも面白かった。ただ日本が分断されたと言ってもそこまで日本の一般市民に大きな影響を与えていないというか今の日本人とそこまで大きく違わないのも逆にリアルという気もしました。ベトナム戦争や湾岸戦争で日本も戦火を交えてますがそれもありうる範囲でしたしね。

物語の主人公というべき存在は藤堂一族。レイテ沖で戦艦大和の艦長代理となって海戦を勝利に導いた藤堂明。彼の息子たちであり日本が分断国家となってからは二つの陣営で戦うことになる守と進の兄弟。そして進の次男・輝男。この三世代にわたる藤堂一族の物語ともいえますね。あえてその中で一人に主人公を絞るなら日本民主主義人民共和国で数奇な運命をたどることになる守なのかな。悪役として描かれるのかと思ったらきっちり彼の側の物語で完結までうまくまとまったというか。

長い小説でしたが特に中盤くらいからものすごく面白くなっていって堪能できました。またこの作者の別作品を読んでみたいですね。

征途 - 愛蔵版
征途 - 愛蔵版

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