【感想】達人伝 ~9万里を風に乗り~ 17~19巻

邯鄲包囲戦。絶体絶命の趙を救うべく李談の三千決死隊が出撃!

前回は1~3巻までの感想を書きましたが。

【感想】達人伝 ~9万里を風に乗り~ 1~3巻
https://42986506.at.webry.info/202002/article_7.html

そこからいきなり飛んで今回は17~19巻の感想に(笑)。まあ電子書籍の100円セールで購入できたのがこの1~3巻と17~19巻だったから仕方ないですね。しかしあえてここをセレクトしたのは読んでみるとよくわかる。とにかくものすごい熱量で読んでて震えましたよ。4~8巻も購入したのでそちらから感想を書いてもいいんですけどやはり読んだ順に書くのが一番かなと。ついでに24巻も購入してるのでそちらを書いてからですね。


さて物語のほうはどうやら1巻の時から10年以上経過した様子。9年以内に秦を倒す達人たちを連れてくるという約束の期限も過ぎてるんですね。どうやら約束のほうはまだ続けていくという形のようで。そしてその間にあの「長平の戦い」が起きて白起による趙兵40万人生埋めも直前に行われた模様。目もくらむような大敗北を趙は喫したわけですね。それから8ヶ月、趙の都・邯鄲を攻め落とすべく秦軍が進撃開始。

この危機に対して楚から五千の兵を率いて援軍に出されたのは項燕。後に秦の李信が20万の兵を率いて楚に侵攻した時にこれを撃破した名将ですね。しかしこの若き項燕、巨漢で親しみやすい感じのキャラに加えて剣を振るうとすぐに折れてしまってしょんぼりするという萌えキャラになってしまっている(笑)。

他にも多くの有名な人物がそのエピソードとともに登場しますが面白いのはわりと史実に忠実な描写になってることですね。平原君に連れられた毛遂が楚王を説得する「嚢中の錐」とか。「蒼天航路」の時は大胆すぎる意訳とも言っていい描き方で新解釈の展開を見せてましたがこの違いは興味深いですね。
僕も知らないエピソードは多いんですが知ってるエピソードがそのまま来るとこれはうれしい。信陵君・公子無忌のエピソードは鄭問の「東周英雄伝」で知っててすごく好きだったんですがこちらでもそのままやってくれましたからねー。違いがあるとすれば信陵君が大男でしかもものすごく豪快な感じのキャラだってことですねー。この信陵君もすごく魅力的でいい。
そして出陣を禁じられて悶々としている彼の背中を押す荘丹の言葉、

「信陵君 どうしてしでかさないのです?」

こういう言葉のセンスがほんとこの作者はすごい。決意した信陵君がかつて礼を尽くした老門番・侯嬴(こうえい)先生とその友・朱亥の力を借りて兵権を奪い趙の救援に赴く話は知っててもわくわくしますよねー。飛び出す信陵君の服をつかんで笑顔を向ける侯嬴先生の表情、それに目を潤ませる信陵君がまた素晴らしい。

しかし何と言ってもこの邯鄲包囲戦の主役は李談!
一般的には李同と呼ばれる人物らしいですが彼のことはまるで知りませんでした。しかしこの人物に関しては漫画オリジナルの設定をいろいろ加えてさらに魅力的になってるんですよねー。邯鄲に荘丹たちが入城した時から「この国はもう終ってるな」だの悪態と毒舌ばかりで無名や庖丁をいらつかせる李談。しかし荘丹だけはそれが国を愛する想いの裏返し、「愛の達人」だと気づく。
そして秦軍に追いつめられていく状況で李談はついに動き、宰相・平原君に全財産を処分してその金で「三千決死隊」を生み出せと涙と激情で迫る!

「あなたに国を救う決死の覚悟はおありか!? 三千決死隊を生む覚悟はおありか!?」

いやー、もう震えましたよ。この要求を呑む平原君もまたすごい。もともと役人だった李談は長平の戦いで死んだ40万人ひとりひとりの戸籍を調べる中でいつしか秦に立ち向かうために戦える三千決死隊の名前を書き連ねていたという。その中には若き李牧や龐煖の姿も。ここまでの準備をしていたことに驚き心揺さぶられる無名と庖丁。

「口では国を罵ってたおめえが その実は国を愛し どっかで国のために尽くそうと備えてやがったのかあ~~!?」
「愛国とは声高に口にしないものだ ふだんは権力をもつ奴らに毒づいてるぐらいがちょうどいい」

イケメンでも豪傑でもないチリチリ頭で一見小汚い外見の小男ですが、あまりのカッコよさに痺れてしまったぜ。

「ここでこの国を終らせてはならない この三千人の部隊は決死の覚悟をもって国を救う! 秦には決して服従せぬという意思を叩きつけ まずあの包囲軍に魂の一穴を開ける!」

なんという熱さか。この李談率いる三千決死隊によって包囲する秦に逆撃を加えていく趙。

そんな中で前線に赴くことを拒否した白起は兵卒に落とされ流罪に。それに怒る秦の老将軍・王齕(おうこつ)はなんと単騎で邯鄲に突入、王宮までたどり着く。王は身を隠されてしまい、最後に王齕が望むのは名将・廉頗との一騎討!
廉頗も藺相如との「刎頸の交わり」のエピソードで大好きなんですよねー。この17~19巻での描かれてる廉頗は戦うのが大好き爺さんっぽくてこれまた面白い(笑)。藺相如もこの漫画に登場したんだろうか。前の巻を読むのが楽しみです。

老将同士の一騎討、どちらも怪物、勝つのはどっちだ!


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