【感想】達人伝 ~9万里を風に乗り~ 14~16巻

趙秦大戦はついに「長平の戦い」が! そして中国史に残る惨劇が行われる!

電子書籍で少しずつ購入してきた「達人伝」ですが。

【感想】達人伝 ~9万里を風に乗り~ 1~3巻
https://42986506.at.webry.info/202002/article_7.html
【感想】達人伝 ~9万里を風に乗り~ 17~19巻
https://42986506.at.webry.info/202002/article_9.html
【感想】達人伝 ~9万里を風に乗り~ 24巻
https://42986506.at.webry.info/202002/article_10.html
【感想】達人伝 ~9万里を風に乗り~ 4~8巻
https://42986506.at.webry.info/202002/article_12.html
【感想】達人伝 ~9万里を風に乗り~ 9巻
https://42986506.at.webry.info/202002/article_17.html
【感想】達人伝 ~9万里を風に乗り~ 10~13巻
https://42986506.at.webry.info/202003/article_10.html

最初に購入したのが1~3巻と17~19巻(と24巻)だったのでその間をどのように描かれてるかは買ってみなければわからなかったんですよね。しかしようやく4~16巻まで買って話がつながりました。しかし買い始めたのは1月半ばでもっとじっくり買い集めていくつもりだったんですけどね。結局、先を読みたいという欲望に勝てなかった(笑)。これで残るは20~23巻と25巻ですね。たぶん今月中に買ってしまってそう(笑)。

さて今回はあの歴史に名高い「長平の戦い」。ついに来たなという感じですねー。まず冒頭でいきなり盗跖と斥候に来ていた白起が一騎打ち! しかし王齕や信陵君と互角に戦ったあの盗跖でさえ白起の超人的な武芸の前に追い詰められていき、ついに命を落とすという衝撃の展開。先の巻を読んでいたので死ぬのはわかってましたがこういう形とは。活躍は短かったけどほんとに快男児というか見ててワクワクするキャラでしたよ。「盗跖」の名は玄信の次男である修が受け継ぎ九代目となることに。ただ盗跖が死んだことでこの別動隊も自然に瓦解していき盗猿たちも離脱。

一方で秦の謀略により長平の司令官だった廉頗が更迭され、代わりに名将・趙奢の息子である趙括が抜擢されることに。母である夫人や病身を押して頭を血だらけにしながら懇願する藺相如の進言も聞き入れられずにこの人事が決定してしまうことに。藺相如の場合は廉頗との交わりが有名すぎるだけにむしろ味方するのが当然と思われてしまったのかもしれませんね。ただそれでも藺相如が病でなく気力に満ちあふれた状態だったら説得できたのではないかと思ってしまうんですよねー。趙は優秀な人材を多く輩出している国ですけどこれ以降も廉頗に去られたり李牧を謀略に引っかかって殺してしまったりと滅びるべくして滅びていったんだなあと痛感してしまう。

こうして趙括が趙軍40万の総司令官になったわけですがその描き方には感心しました。この趙括って男、覇気に満ちあふれて弁舌も実に気持ちいい。英雄の気風とでもいうのか、確かにすごい活躍をしそうな予感を抱かせるんですよねー。「なぜこの男を登用したのか」って疑問に対する説得力が十分に感じられる。こういう若い力に未来を託してみたくなる気持ちもわかりますよねー。まあその判断こそが大きなミスだったわけですが。趙括によって指揮官も一新されて丹の三侠やついでに孟梁も戦地を離れられたのは後のことを考えると幸いか。荘丹たちはこの辺りから秦には負けるんじゃないかと予感し始めてるのかその先のことまで考え始めてますね。秦に仮に天下を征服されたとしてその後でそれをどう覆すかという。

そして趙括はまんまと白起の戦術に追い込まれて補給路を断たれて最後は名もない一兵卒に射殺されて死亡。戦う力のない趙軍40万は降伏を申し出るが白起は恐るべき決断を。火攻めで廉頗の作った長平の城壁に趙兵を追い込み、城壁ごと破壊して降兵を皆殺しにする選択を!
史実では40万人に穴を掘らせてそこに生き埋めにしたわけですがこの漫画ではものすごいスケールの描写で殺していく様を見せつけてくることに。しかもそれが数ページ程度ではなく何話もかけてじっくりと壮絶に。
……漫画ではあるんですけどすごすぎてほんと圧倒されました。しかも死んでいく人々の中には盗跖の部隊にいた人達や上党の民草もいますからねー。これはきつい。と同時にやっぱりこの作者は天才だなあと改めて。

この大虐殺を行った白起ですがここまで読んでわかったのは軍神とか戦争の天才とかよりも「合理主義の権化」として描かれてるんだなと。後付けとかではなく登場した最初からそうでしたしね。兵に与える褒賞とかを最大限に確保することを意識したりしてましたし。とにかく結果を出すためにもっとも効率のいい手段を考え続けていて、この生き埋めも服従するわけのない敵兵を始末して自軍の糧食がなくなるのと死体による疫病の蔓延を防ぐことを考えれば最も理にかなってる。すべてが合理的なんですよねー。ただ、人は「理」だけで動くものではないのでそれですべてが解決するわけではない。孟嘗君の食客である賀震や盗跖の言葉で自分の信じてきたものが揺らいできてそれを打ち消すためにここまでの行為に及んだという白起の描写はさすが。

この惨劇から朱涯六傑の二人と脱出した玄峻は秦王と父の仇・黥骨を発見。生き延びるよりも仇討ちを選んで突撃、秦王は殺せなかったものの黥骨の右腕と左目を奪い一矢報いることに。黥骨は最後は盗跖の後を継いだ玄修によって討たれるんだろうか。偵察にかけつけて玄峻の首を発見した荘丹の慟哭がなんともつらい。さらには長平の大虐殺まで見せつけられるわけですからねー。
……しかしこうも陰惨な展開が続く中で孟梁の存在はある意味癒しですね(笑)。威張り散らして荘丹たちを「馬骨」呼ばわりしたり自己評価ができてなかったりと普通だったらうっとうしすぎる存在なんですけど。読んでてわりと彼の存在に救われます(笑)。

こうして国が亡びるほどの大惨敗を喫した趙。その中で呂不韋は異人に請われて自分の子を宿した朱姫を彼の妻として差し出し天下を飲み込む青い龍を生み出そうとしていた。それをかつて予見していた占い師の老人は荘丹たちの背後に真っ赤な龍の姿を見る。そう、もうすぐ真っ赤な龍の子が誕生するんですよねー。ここまで絶望的な状況が続く中でついに大きな光が生まれようとしているんだなあ。たぶんそこまでは描かないんでしょうけど劉邦が漢を建国する物語も描いて欲しいなんて願望も出てきました(笑)。24巻から幼い劉邦が登場しますしねー。
それと呂不韋ですが普段は人前で感情を見せないのに今回は二度も見せてたのが印象的。朱姫をくれと異人に求められた時の怒りと藺相如が病でもう面会できないと知らされた時の涙。特に藺相如に対してこれほど強い思いを抱いていたとは。初対面で自分の内面を見抜かれたことでもしかすると数少ない理解者と感じていたのかもしれませんね。


これで1~19巻と24巻を購入し終えました。残る5冊も楽しみです。やられっぱなしからの反撃開始ですからね!
この「達人伝」は何巻まで続けるのかわかりませんが「蒼天航路」と同じくらい続けるのならこの16巻までがもしかすると前半という区切りかも。
そう言えばずっと蒼天航路と達人伝の原画展を全国でやってるんですよね。これまでに横浜・広島・東京・仙台・大阪・京都とやったそうですが。 今後、他に可能性があるとしたら福岡や北海道あたりかな? やるなら遠征して行ってみたいですねー。


達人伝 ~9万里を風に乗り~ : 14 (アクションコミックス) - 王欣太
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