【感想】OVA「銀河英雄伝説」本伝・第3期 65~76話

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原作7巻・怒濤篇にあたるエピソード「すべての旗に背いて」から「祭りの前」までを久しぶりにdアニメストアで視聴しました。

【感想】OVA「銀河英雄伝説」本伝・第3期 55~64話
https://42986506.at.webry.info/202011/article_6.html

〇イゼルローン再奪取作戦

イゼルローンに仕掛けたトラップを使って全機能を無力化して再奪取するというヤンの魔術。ハッキング自体は今ならありふれ過ぎてる方法ですけど、むしろこの作戦の真骨頂は要塞指揮官のルッツをいかにして艦隊出撃させるかで。ラインハルトが前線にいて連絡を取りづらいのとフェザーン経由の通信は距離がありすぎて時間がかかる。まさにこのタイミングだからこそ成功するヤンの情報かく乱。ほんとにすごすぎる。
ただここではヤン本人は後方にいて実行部隊はユリアンたちなんですよね。当初の構想通りにユリアン単独主人公になってたとしてもこれは可能な展開。実際、この本伝3期が一番ユリアンは主人公してるなあという印象なんですよねー。自然とリーダーとして扱われ始めていますし。

〇マル・アデッタ星域の会戦

自由惑星同盟軍最後の戦い。この戦いはラインハルトの生涯でもっとも満足すべきものだったかもしれませんね。正々堂々と戦い、勝敗が決しても敵将であるビュコックは見苦しい命乞いなどせずに誇り高く散っていった。ラインハルトの美学を完全に満たすものだったでしょうし。これまではヤンに完勝を阻まれたり、あるいは敵が軽蔑する大貴族だったりで満足できる戦いとは言い難かったはず。ビュコックの「民主主義とは対等の友人を作る思想」という言葉にはそれほど感銘は受けなかったというラインハルトですが、民主主義思想自体にはヤンとの会談に続いてわずかにリスペクトする要素となったかも。それが後の展開に影響を与えることになったのかもしれませんね。

〇ヤンの苦悩

原作でもこのあたりですごくつらいのはヤンが民主主義思想を滅ぼさせないためにどうしたらいいかというのでずっと苦悩してるところなんですよね。民主主義に対してはものすごく理想主義者であるヤンは惚れた弱みとでも言うべきか考えが甘くなっていて、自分が証拠なしに逮捕されたときも「まさかそこまでやらないだろう」、同盟を出ていくことになった後も「いつか反省して謝罪してくれるんじゃないか」と期待してしまう。「いつか人民が本当の意味で自分たちの権利のために立ち上がってくれるはず」と信じてるから権力者になったりラインハルトのもとに走る道を取らないわけで。
そういうヤンの態度に他の仲間たちやさらには視聴者もイラつく部分があるわけですが、実はそれこそがヤンが苦悩してる要因でもあるんでしょうね。ヤンにやってもらうことだけ考えて、自分たちはその下で与えられたことだけやればいいと。なにしろ苦悩してるのがヤンただ一人ですからね。「僕たちはヤン・ウェンリーに頼り切っていた」と後にユリアンが述懐するわけですが、そう考えるとやはり作品のテーマ的にもこのまま終わってはいけなかったのがわかります。
ヤンは民主主義に最も重要な「理念」が再生するために必要なのは「圧政」か「民主主義を象徴する人物の死」かどちらかが必要なのではないかと考えてますが、それはどちらも彼のいる間にはおきませんでしたからね。もし本当の意味で人民が立ち上がっていたらヤンはその時こそラインハルトを打倒することにためらいを持たなくなってたかも。ジェシカが生きてたらそういうリーダーになれてたかもしれませんね。

次は本伝3期クライマックス、「回廊の戦い」ですね!

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